愛のない部屋

「俺が今まで付き合った人数は……」

「聞きたくない」


峰岸から背を向け、壁を睨む。

どうせタキと同じでしょう?
モテる男って、みんな同じなのかな。

どこかでタキは違うと期待してたのに。



「マリコのこと、篠崎から聞いたんだろ?」


「さぁ」


「俺が今まで付き合った女性は、マリコだけなんだ」


「……」



篠崎さんは言っていた。

綺麗な顔で冷たく、峰岸とマリコさんの仲を邪魔することなんてできないと。


でも、舞さんの話が本当だとしたら?

峰岸は初めて付き合った女性に、訴えられた?



なにを?どうして??


「マリコはーー」


「聞きたくない、って言ってるでしょ!」



知りたいことは山ほどあるけれど他人のことに首を突っ込み、余計なことに関与する必要はない。

深く関わらなければ、問題は起きない。




「隣りは寝てるんだ。そんな大きな声を出さなくても」


「……ごめん」


「滝沢さんは俺に、おまえの前でマリコのことを話させたかったんだよ」


「峰岸が誰を好きだろうと、私には興味ない」



揺らいではいけない。



関わってはいけない。

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