愛のない部屋
頭の中で鳴り響く警告音。
誰かの全てを知りたい、そう思ったのは初めてであり、はっきり言って困惑している。
大好きなタキのことでさえ職業もなにもかも、知ろうとは思わなかったし、それで良いと思ってたのに。
峰岸のことは、知りたいと思ってしまう。
マリコさんとの過去も、彼が今なにを考えているのかも……、気になってしまうなんて。
危険すぎる。
警告音が耳に届いているうちは、まだ大丈夫。
聞こえなくなる前に、心を閉ざしてしまおう。
「峰岸、ただの同居人に大切な秘密を話す必要はないよ」
「俺はただの同居人か?」
「もちろん。それ以外に何があると言うの?」
そっと目を閉じる。
決して長いとは言えない期間で峰岸のことを沢山、知った。
冷たくて不機嫌、嫌な奴。
そんな第一印象を掻き消してしまうくらい、
本当は
優しくて、温かい人。
少し寂しがりやだとも思う。
――ずっと一緒にいる、
その約束を守るためにも、距離をおくことが必要。
愛だとか恋だとか、そんなものが絡んできたら
峰岸もいつかは離れていってしまう。
「恋に、永遠はないよ」
「…どういう意味だ?」