愛のない部屋

峰岸は難しい顔のまま立ち上がった。


「コンビニに行ってくるよ」


これ以上、話を続けても揉め事になるだけだと峰岸も察したのだろう。

返事を待たずに、家を出て行った。



玄関が閉まるガチャリという音が、私を虚しくさせる。



またひとり、残された。



近くのコンビニに行っただけだと分かっているのに、置いてきぼりだと思ってしまう。






峰岸の気持ちは、もうマリコさんに向いていないということは知っているし、その言葉を信じるつもりでいたのに。

そうさせてくれないのは峰岸の方じゃないか。



マリコさんと会わせてくれないのは、まだやましいことがあるからだなんて余計なことを考えてしまうよ。



「馬鹿みたい……」



私はただ幸せに対して臆病になり、そして不安を感じているだけじゃないか。


誰が悪いせいでもない。


自分に自信がないせいで、不安になるんだ。



「マリコさんは素敵な人だった」



美人で上品なイメージが漂っていて。

彼女と張り合うつもりもないし、張り合って勝てることもないだろうけれど。

それを分かった上で、マリコさんに私を認めてもらいたいなんて都合が良すぎるのかな?


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