愛のない部屋
荷造りを終えた午後10時。
峰岸はまだ帰って来ない。
あれから1時間は経っていないものの、コンビニまではそう遠くないのに。
不安になるなんて女々しいことだけど、隣りに峰岸がいないと駄目みたいだ。
ダンボールをそのままにして、外に出る。
肌寒いが、上着を取りに戻ろうという考えには至らず、峰岸の姿を探した。
「峰岸……、」
コンビニに行っても、峰岸はいない。耳障りなBGMだけが頭に響く。
聞きたいのは峰岸の声なのに。
他に立ち寄る場所はあるかと頭の中で思い浮かべれば、
「沙奈ちゃん」
そこに篠崎が立っていた。
「篠崎さん……?」
意外な人物の姿に驚く。
「峰岸にお呼ばれしちゃいました。タクシー乗って来たんだけど、沙奈ちゃんが見えたから降りて来ちゃった」
いつもと変わらず明るい篠崎に、ほっとした。
「峰岸は?」
「アイツ、マリコを呼びに行ったよ?」
「ぇええ?」
私は悲鳴のような声を上げた。