Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
毎日、頑張って資料の作成をした。

私が任せされたのは毎月はじめにある、定例部長会議の資料だ。
定例、なのでイレギュラーなことがなければテンプレートは準備されているし、ただ渡されたデータを打ち込んでまとめるだけでいい。

そんな簡単な仕事でも、私に任せされたっていうのが、嬉しい。

「じゃあ行ってくる」

「いってらっしゃいませ」

いざ、高鷹部長が会議に行くとなると、不安になってくる。
入力ミスはなかっただろうか、誤字脱字は。
他になにか、大きなミスはしていなかっただろうか。

「そんな顔をするな。
椎名が褒めていたぞ、いまだに酷い資料作成をする橋川に見習わせたいって」

にやっと、高鷹部長は右頬だけを歪めて意地悪く笑った。

「酷いです!
高鷹部長も、椎名さんも!」

橋川くんのブーイングで、笑いが起きる。
おかげで私の緊張も、少し解けた。
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