Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「そんな!
こんなに気を遣っていただくなど!」
杉原課長はすっかり恐縮しきっているが、きっと彼は私が出ていってから他の社員に当たり散らしている。
愛乃お嬢様をひとりきりにするなんて、と。
「いえ。
皆さんにはいつもご迷惑をおかけしていますし。
ほんの気持ちです」
有無を言わせず、にっこりと笑顔を作る。
「じゃ、じゃあ、ありがたくいただきます」
杉原課長が曖昧に笑いながら受け取って、この話は終了。
部屋の中のすみっこにある、自分の席に行く。
机のすぐ横の棚にある、処分ボックスに申し訳程度に入っている書類を掴んで事務所の裏へと回った。
ほんとは一度に十枚以上入れられるシュレッダーに、わざわざ一枚ずつ入れていく。
そうしないと時間が稼げないから。
そもそも、シュレッダーは各自がかけるようになっている。
けれど私がする仕事を作るために処分ボックスが設けられた。
でもそういう事情だから入れる人間は少なく、当然、シュレッダーにかける書類も少ない。
こんなに気を遣っていただくなど!」
杉原課長はすっかり恐縮しきっているが、きっと彼は私が出ていってから他の社員に当たり散らしている。
愛乃お嬢様をひとりきりにするなんて、と。
「いえ。
皆さんにはいつもご迷惑をおかけしていますし。
ほんの気持ちです」
有無を言わせず、にっこりと笑顔を作る。
「じゃ、じゃあ、ありがたくいただきます」
杉原課長が曖昧に笑いながら受け取って、この話は終了。
部屋の中のすみっこにある、自分の席に行く。
机のすぐ横の棚にある、処分ボックスに申し訳程度に入っている書類を掴んで事務所の裏へと回った。
ほんとは一度に十枚以上入れられるシュレッダーに、わざわざ一枚ずつ入れていく。
そうしないと時間が稼げないから。
そもそも、シュレッダーは各自がかけるようになっている。
けれど私がする仕事を作るために処分ボックスが設けられた。
でもそういう事情だから入れる人間は少なく、当然、シュレッダーにかける書類も少ない。