Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
高鷹部長が出ていってすでに三時間が経過。
予定時間を過ぎている。
でもきっと、大丈夫なはず。
だって切り札があるとか高鷹部長は笑っていたから。

――バン!

さらに三十分たって、勢いよく開いたドアにみんなの視線が集中する。

「喜べ!
愛乃の案が採用された!」

うわーっ、室内は歓声に満たされているのに、なぜか酷く遠い。
どうしてか、現実味がまるでない。

「よくやったな、愛乃」

「えっ、あっ」

目を細め、高鷹部長がにっこりと笑う。
胸の中がなんだかわからないものでいっぱいになり、収まりきれずにとうとう目尻からぽろりと落ちた。

「あー、高鷹部長がまた、愛乃ちゃんを泣かせてるー」

「お、俺は泣かせてなんか……!
愛乃、どうした?」
< 152 / 340 >

この作品をシェア

pagetop