Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「どうしても香芝専務の許可が下りなくて、愛乃をだしに使った。
すまない」

「……はい?」

それってどういうことですか?

「自分の仕事ぶりを父親が認めてくれたとなれば、お嬢さんはどれだけお喜びになるでしょうね、……などと言ったら、簡単に」

「……はぁーっ」

もう、ため息しか出ない。
仕事にこんなことを持ち出す高鷹部長も高鷹部長だけど、それで許可を出してしまう父もどうかしている。

「結局、私の実力ではないんですね」

「違うぞ!
会議では愛乃の案に決まったんだ。
ただ、香芝専務がどうしても反対するから」

高鷹部長が慌てて否定してきて、苦笑いしかできない。

私を使って父に認めさせたなど、黙っていればわからないことだ。
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