Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「はい。
だいたい、去年の春には結婚するはずだったんです。
それがいろいろあって延び延びになっていただけで」

出てくるな、涙。
笑え、私。
悲しいことなんてなにひとつないはずじゃないか。

「君は本当に、それでいいのか」

じっと高鷹部長が私を見つめる。

「私は」

きっと、それでいいと言うのが正解なのだろう。
いままで通りすべてを諦めて、春熙を受け入れて。
けれどレンズの奥から私を見ている瞳は心の奥底まで見抜いているようで、嘘がつけない。

「春熙と結婚なんて、したくない……」

とうとう耐えきれなくなった涙がぽろりと落ちた瞬間、高鷹部長に抱き寄せられた。

「ずっと春熙と結婚するのが当たり前だと思っていました。
でもいまは」

「……うん」
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