Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「春熙と結婚なんかしたくない。
だって私は――」

――高鷹部長が、好き。

唐突に浮かんできた言葉で、声が途切れる。

「私は?」

高鷹部長はその先を促すが、その胸をそっと押して、腕の中から抜け出た。

「なんでもない、です」

無理に笑ってごまかした。
だってそれこそ、私には許されないことだから。

「なんでもない、か」

笑った高鷹部長はどこか泣きだしそうで、私も泣きたくなった。

「愛乃」

一度離れた私をまた、高鷹部長が抱き寄せる。
厚くはないけれど、頼もしい胸板。
春熙とは違う、甘いけれどスパイシーな香り。
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