Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「君が諦めないのなら、俺は世界のすべてから君を守ってやる。
たとえそれが父親でも、婚約者でも」

高鷹部長の両手がそっと、私の肩に乗る。
傾きながら近づいてくる顔を、ただぼーっと見ていた。
目を閉じる間もなく、柔らかいそれが私の唇に触れて離れる。

「……約束する、から」

「こうたか、ぶちょう……?」

じっと私を見つめたまま、ふっと唇を緩ませて高鷹部長が笑った。

「君も絶対に諦めるな」

無意識に、こくんとひとつ頷いていた。
嬉しそうに彼の手が、私のあたまを撫で回す。

「……子供扱い、ですか」

「んー、愛乃は小さくて可愛いからなー」

さっきまでの空気はもう、どこにもない。
あれはきっと、真夏の太陽が見せた幻。

「そろそろ戻るか。
東藤本部長が目を覚ましていたら大変なことになるからな」
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