Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「そうですね」

何事もなかったかのように来た道を戻る。
けれど高鷹部長の言葉は楔になって、私の胸の奥深くに打ち込まれていた。


「どこ、行ってたの?」

ホテルのロビーに入った途端、春熙に腕を掴まれた。

「よさないか。
俺が今後のことで話がしたいからと呼び出したんだ」

高鷹部長は春熙の手を払いのけようとしてくれたけれど。

「あなたには聞いてない、僕は愛乃に聞いているんです。
……僕に黙って、どこに行っていたの?」

私が映っているのに見ていない春熙の瞳に、身体ががたがたと震える。

「高鷹部長と少し、話をしていただけ、だから」

「部屋を抜け出して、勝手に?」

「はい、ごめんなさい」
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