Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
すぐに永沼さんが紅茶を淹れて運んできてくれた。

「とうとう春熙君と結婚するそうだな。
おめでとう」

「ありがとうございます」

予想通り、父はいままで見たことがないほど上機嫌だった。

「去年の春に延期になってからもうすぐ一年半か。
長かったな」

「……そうですね」

もし、もしも。

あのとき、おばさまが亡くならなくて、結婚が延期ならなければ。
私はこんなに悩んでいなかったのだろうか。
春熙の愛情をなにも考えずに受け入れて、幸せな花嫁になれていたんだろうか。

もし、もしも。

考えても仕方ない考えばかりが、あたまの隅を掠めていく。

「……淋しくなるな」
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