Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
前に私が春がいいと言ったとき、そんなに待てないと言いながらもここまで焦っていなかった。
ここ最近、いったいなにがあったんだろう。

「それこそまたなにかあって延びたら嫌ですし。
先に入籍さえ済ませてしまえば安心かな、って」

「まあそれもそうだな。
それでもただ焦ってするのは芸がないだろう。
……そうだ、二十八日は愛乃の誕生日だ。
それに併せて入籍したらどうだ?
愛乃もそれがいいだろ?」

「あっ、はい。
そうですね」

ぼーっと聞いていたところに急に話を振られて焦ってしまう。

「……愛乃がそれでいいなら」

春熙は不服そうだけど、これで時間が少し延びた。
延びたところで私にはなにもできないけれど、それでも少し、安心した。

食事の後も、ずっと父と春熙は私そっちのけで式の相談をしていた。
私はやっぱり曖昧に笑って相づちを打ち、母はいつの間にか自室に下がっていた。
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