Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「う、うん」

いまのはいったい、なんだったんだろう。
気になる、が私にはそれ以上、なにも聞けなかった。

「夕食も一緒にどうだ?」

壁のからくり時計が六時を知らせる。
小さい頃はわくわくして、春熙と一緒に時計の針をいまかいまかと見つめていたのは、いまとなってはむなしい思い出だ。

「いえ。
残念ですが、父と約束をしていまして。
愛乃を少々お借りしてもよろしいでしょうか」

苦笑いで春熙は持っていたコーヒーカップをソーサーに戻した。

「そうか、なら仕方ない。正毅(まさき)によろしくな」

「はい、父に伝えておきます」

ソファーから立った春熙に促され、私も一緒に部屋を出る。

「今日は愛乃さんとの結婚に許可をいただき、ありがとうございます」

「春熙君には期待しているよ」
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