Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
父に見送られて屋敷を後にする。
今度向かうのは、春熙の家。

「よかったね、お義父さん快く認めてくれて」

「そうだね」

「でも愛乃と夫婦になるのがちょっと延びちゃったなー」

春熙は残念そうだが、たった二週間ちょっとなのだ。
せめてそれくらい、私にすべてを諦める時間を与えてほしい。


十五分ほどで春熙の家に着く。
戦後に建てられた洋風の我が家とは違い、春熙の家は大正期に建てられた和洋折衷の建物だ。

「父さんは?」

すぐに春熙の家の者が出迎える。
髪をオールバックにして丸眼鏡をかけ、さらにモーニングを着た、まるで昔の閣僚集合写真から抜け出てきたような坂巻(さかまき)さんが昔から私は苦手だ。

「書斎でお待ちです」

「わかった」
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