Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
短く返事をした春熙について歩く。
屋敷の東端の部屋で彼は足を止めた。

――コンコン。

「誰だ?」

ノックと同時に中から返事がある。

「春熙です」

「入れ」

「失礼します」

部屋の中ではおじさまが待っていた。
わざわざスーツに着替えた父とは違い、ポロシャツにスラックスとリラックスした装いだ。

「久しぶりだな、愛乃ちゃん」

おじさまはその厳めしい顔の相好を崩し、私を手招きした。
近づくとひょいと私を抱えて膝の上にのせる。
彼も春熙と遜色ないほど背が高いので、そんなことは造作もない。

「振り袖を着るとまたいっそうと日本人形みたいだな」
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