Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
いままでそれでよく、やってこられたと思う。


高鷹部長と歩いた外は、新鮮だった。

「あの行列はなんですか?」

「うまいラーメンを食べるために並んでいる。
そして、俺たちも並ぶ」

「はいっ!?」

まさか、暑い中をラーメンを食べるためだけに並ぶなんて信じられなくて。
でも、それが楽しくて。

「うちに来てだいたい五ヶ月か。
すぐに音を上げると思っていたが、意外と保ったな」

なるべく私を日陰になるようにして、高鷹部長は立ってくれる。
そういう気遣いは、嬉しい。

「……ちょっと失礼です」

「まあそう、むくれるな」

高鷹部長の手が、私のあたまをぽんぽんする。
見上げると、レンズ越しに目があった。
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