Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
しばらくして唇が離れ、彼の顔を見上げる。

「俺は愛乃を……愛している」

感情が堰を切り、涙になって流れていく。

「泣くな」

困惑した声で高鷹部長が私を抱きしめてくる。
その胸はやはり、安心できた。


私が泣き止むと、高鷹部長は指で涙を拭ってくれた。

「約束通り……いや、好きな女は俺が守る」

笑う彼に私も笑い返す。

高鷹部長に連れられて、みんなが仕事をしている部屋へと戻った。

「急用ができたから今日はもう帰る!」

「うまくいってよかったですねー」

橋川くんに指摘され、高鷹部長は私の手を掴んだままだった、自分の手をぱっと離した。
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