Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「おはようございます。
食事の準備に参りました。
その間にお召し替えをお願いできますでしょうか?」

私の格好を見ても坂巻さんは眉ひとつ動かさなかった。

「……うん」

ふらふらと寝室に戻り、タンスを開ける。
ここに私の着替えが入っているのはこの間、監禁されたときに知っている。

適当な着物に着替えてダイニングにへ行く。
春熙の趣味なのか、私の着替えは着物しか入っていない。

「どうぞお召し上がりください」

春熙の言いつけなのか、用意されていたのは女の子受けがよさそうな、クリームをたっぷり添えたふわふわパンケーキ。
正直、食欲なんかなかったけど、仕方なくナイフとフォークを握る。

「坂巻さん」

「なんでございましょう」

もそもそとパンケーキを食べる私に、坂巻さんは紅茶を入れてくれた。
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