Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
高鷹部長の追放は他人事ではない。

「よく知らせてくれた」

征史さんが落ち着くようにと頷き、ざわめきが止まる。

「上層部が経営不振の我が社を海外の会社へ不当に売り払おうとする動きは掴んでいた。
まだ、確証は得られてなかったが。
……橋川、調べられるか」

「了解です!」

橋川くんはその場を和ませたいのか、勢いよく敬礼した。

「他のものはいまの仕事よりもこちらを優先して、橋川に手を貸してほしい」

「かしこまりました」

岩岡課長が頷き、慌ただしくみんな、席へと戻っていく。

「椎名。
悪いが愛乃に着いていてやってくれるか。
俺の部屋を使っていい」

「はい。
……行こうか、愛乃ちゃん」
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