Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「愛乃は正しいことをした。
遅かれ早かれこうなるはずだったんだ。
愛乃が苦しむことはない」

「……はい」

「それでも愛乃が苦しむのなら、俺も一緒に背負っていくから」

「……ありがとう、まさくん」

きっともう、父に、おじさまに、――春熙に許してはもらえないだろう。

でもそれでかまわない。
これは私が選んだ道だから。

もう私は、あの溺愛という籠の中には帰らない。
私は、自分自身で羽ばたくんだ……!


……身体が、揺れる。
ああそうか、征史さんの仕事が終わるのを待っていて、そのまま寝ちゃったんだ。

「……ん」

「目、覚めたか」
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