Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
私を抱きかかえたまま、征史さんがちゅっと口づけを落としてくる。

「ここ……」

「俺のマンション」

器用に片手でドアを開け、中に入っていく。
リビングで私を、ソファーに下ろした。

「このまま寝るか、それともなんか食うか」

ゆっくりと征史さんの手が私の髪を撫でる。
その愛おしそうな顔に、もしかして私は夢でも見ているんじゃないかと不安になってくる。

「……まさくん」

「ん?」

求めるように手を広げると、征史さんの方からぎゅっと抱きしめてくれた。

「まさくん、まさくん、まさくん」

「どうした?
俺はここにいるぞ」
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