王子様は甘いのがお好き
それから数日後、田原が営業課から“閑職”と呼ばれている庶務課へ飛ばされた。

「あいつ、営業先から賄賂をもらってたんだな」

「道理で羽振りがいいなって思ってたよ」

「営業先の社長のお嬢さんに手を出してたんだってさ」

「あの人、嫌いだったんだよねー。

私、すっごいしつこくされたんだよねー」

「私も私も、LINEのIDを教えてって言われたことあったもん」

田原が飛ばされたと言う話は朝から持ち切りだった。

「まあ、社長の恋人に手を出そうとした訳だからな」

「自業自得と言えば自業自得だよな」

「と言うか、社長と…秘書の人だったかしら?

2人が恋人同士だったと言うことにも驚いたけど」

当然のことながら、私と社長がつきあっていることも広まったのだった。
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