『One more Love♡』
「あっ!!そうそう…忘れるトコロだったわ。」
「……?」

あたしが首を傾げるてと,慎さんは,〝コレ良かったら…〟っと言いながら,可愛らしい紙袋をあたしに渡してきた。


「……中…見ても?」
「気に入るかどうか心配だけど…好みとかあるし…」

慎さんは,苦笑いしながら,あたしの顔色を伺いつつ〝どうぞ〟っと言ってくれた。

「……えっ?どうして…?」
「璃桜の事を自分の事より優先にしてくれたから…。
普通,居ないわよ?自分の子供でもないのに,自分の子供の様に優先に出来る人なんて。嬉しかったから…そのお礼。」
「……っ。ありがとうございます,嬉しいです。それに…可愛いケースまで…」
「気に入って…くれた?」
「はい。大切にします((ニコッ」
「良かったぁ~。そのスマホ,実は…」

慎さんは,『ゴソゴソ』っと鞄の中を漁ると,色違いでお揃いのケースに入ったスマホが出てきた。

「慎さんとお揃い…ですか?」
「ええ。もしかして…イヤだった?」

あたしは,『フルフル』っと首を振り,〝使い方で分からない事が出来たら,教えて下さいね〟っと慎さんに微笑み返した。

「スマホ,ありがとうございます。これで,バイト先にも連絡出来ます。」
「バイト先?」
「はい。結婚取り止めになった事とか…取り敢えずバイト続けさせて欲しい事とか…明日報告しなきゃ…なので…」
「ちょっと待って。バイトって…?」
「あ…あたし…結婚相手の親に,社員として働く事を許して貰えなくて…。結婚したら,家庭に入れ…って…それでも,自由に使えるお金…お小遣い程度は稼ぎたくて…雑誌社の簡単な雑用のバイトをしてるんです。なので,ちゃんと仕事先が決まるまでは,置いて貰える様に交渉しなきゃ。」

あたしがそう意気込むと,『わーん…』っと泣き声が聞こえて来た。

「璃桜?」
「えっ?璃桜くん?」

慎さんが立ち上がって璃桜くんの寝てる部屋へと向かうのを,後ろから追いかけた。

「璃桜…どうしたの?」
「……ック…ック…パパぁ~ココたんいない…」
「ココちゃん?」
「えっ,あたし?」

慎さんの後ろから『チラッ』っと顔を出すと,璃桜くんは,あたしの顔を見るなり〝ココた~ん〟っと言いながら抱き着いてきた。

「ど,どうしたの?」
「おきたら,いなかったから。わーん」
「ゴメン…ゴメンね((ヨシヨシ
ぐっすり寝てたから,奥の部屋に居たんだよ。」
「……ック…どこにもいかにゃい?」
「…((クスッ
行かないよ。璃桜くんのお家に居るから…泣かない泣かない」

あたしが璃桜くんの頭を『ポンポン』っとすると,泣き止んで璃桜くんは,『ニコッ』っと笑った。
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