『One more Love♡』
「あっ,ちょっと待って下さいよぉっ。慎さん,じゃぁ,買い出しに行って来ますね」
「待って。ココちゃん。この財布からお金出してくれたらいいから」

慎さんは,あたしに向かって黒革の2つ折り財布を,ポーンっと投げ渡す。

「おーっとと…。」
「ナイスキャッチ☆」

慎さんは,そう言うと,〝 行ってらっしゃい〟っと手を振って送り出してくれ,あたしは財布をカバンに仕舞って,
軽く微笑んで雅先生の待つ車まで急いだ。






「すみません,お待たせしました。」
「いや。大丈夫だよ。ココちゃんは,璃桜の隣に乗ってあげて。」
「はい」

あたしは,チャイルドシートのある後部座席の方へと回り,璃桜くんの隣りへと乗り込むと,雅先生も運転席へと乗り込み,車のエンジンを掛け,スーパーへと向かって走り出した。

「ココちゃん」
「はい,何でしょうか?」
「せっかく車出したんだし,少し遠いスーパーへいこうか。」
「えっ…でも,雅先生,お仕事の合間なんじゃ…」
「いや。仕事自体は,今日はもう終わってるから大丈夫だよ。ちょっと調べ物があるぐらいだが…慎に頼まれた事だから,そこまで急ぎじゃないしな」

雅先生は,バックミラーで後部座席に居るあたしを捉える。

「じゃぁせっかくなので,お言葉に甘えてもいいですか?」
「いいよ。じゃぁ決まりだね」

雅先生は,鼻歌を歌いながら,車を更に走らせていると,あたしのスマホが『ティロリロリーン』っとLINEのメッセージ受信の音が鳴る。
あたしはカバンの中からスマホを取り出し,内容を確認すると送り主は,慎さんだった。

「雅先生?」
「ん?」
「慎さんからのLINEで,弥姫に今日の夕飯の事伝えたら,OK貰ったから,雅先生に伝えといてくれ…だそうです」

あたしが内容を読み上げると,

「…アイツ,何で直接オレにLINEして来ないんだ?」
「あ…それは…多分,あたしのスマホに何もメッセージが入ってないから…あたしに送って来てくれたみたいです」

あたしが苦笑いしながら答えると,雅先生は不思議そうに首を傾げていたが,敢えてあたしはそこにはふれず,返信の内容どうしようかと考えに考えて,ある事を思い付いた。

「璃桜くん,パパにココちゃんと一緒に写った写真,送ろっか」
「パパに?」
「そそ,パパに。イヤ?」

あたしがスマホのカメラを内カメラに変更して,構えると,璃桜くんは凄い乗り気で一緒に写ってくれた。

「ココたん,撮れた?」
「うん,撮れたよ。後は,メッセージを送った後にこの写メも送って…っと」

慎さんにLINEを返信し終わりスマホをカバンの中になおそうとすると,すぐに『ティロリロリーン』っと受信音が再び鳴り,直ぐに確認すると慎さんからだった。

「パパから?」
「うん,璃桜くんと2人の写真とかズルい~。帰って来たら,3人で撮るんだから(泣)だって」
「3人でおちゃちんとりゅ~」

3人で撮る写真に喜ぶ璃桜くんの姿を微笑みながら見てると,運転してた雅先生も何故か微笑んでいる様に見えた。
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