【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「わたしはこれでいいよ」

そう言って彼が手に持っているソーダバーを奪い取るとレジに向かった。

「おい」

皆川くんが止めに来たけれど、わたしはさっさとICカードで支払いを済ませてしまう。

「今日のお礼です」

コンビニの自動ドアをくぐりながら、買ったアイスを手渡す。

それと同時にレジで渡されたソーダバーのおまけについてきたクマのキーホルダーを差し出す。

それは男の子と女の子のクマがアイスを食べているもので、二個セットになっていた。

さっそく袋から出してかじりついていた皆川くんは、じっとキーホルダーを見て笑った。

「なんか、赤城に似てるな」

「えー! それってなんか複雑」

かわいいといえば聞こえはいいけれど、女の子としてどうなの?

「お前にやるよ。俺からの初めてのプレゼント。ありがたく思え」

女の子のクマのほうを、彼が差し出した。

「えー、まぁ可愛いいけど」

わたしもアイスを袋から出すと、お行儀が悪いと思いながらも歩きながら食べた。

駅までのショートカットに使われる公園の街路樹沿いを並んで歩く。

ときどき手があたって、すごく近い距離を歩いているのがなんだかくすぐったかった。

急に隣を歩いている皆川くんが足を止めた。わたしも慌てて立ち止まる。

「どうかした……?」
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