【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
「ひより、落ち着いて話をしよう」

ブンブンと首を振って、彼の言葉を遮る。

「駿也、この頃変だよ。わたしのところにも、お兄ちゃんのところにも変な男の人が尋ねてきて、駿也の話をするの、ねぇ? いったいどういうことなの?……きゃぁ」

いきなり彼がわたしの肩を掴んできた。その強さに体がよろめくほどだ。

「男って、銀フレームのメガネの男か?」

わたしがうなずくと、駿也は「チッ」と舌打ちをした。

「知り合いなの? どういう関係の人?」

彼はわたしから目をそらす。

「今は、言えない」

「どうして! 駿也とわたしって大切なことを話すこともできない関係なの? わたしのこと、いらないならはっきりそう言ってよ」

感情にまかせて彼をなじる。こんなヒステリックなわたし、自分でも嫌になる。

けれど憤怒の念からくる駿也への攻撃は止められなかった。

駿也は押し黙ったまま何かを考えているように見えた。

けれどわたしは、彼の言葉を待てなかった。

本当にわたしのことを思ってくれているならば、考える必要なんてないはずだと思ったからだ。

「もう……わたしたち、離れたほうがいいと思う」

耐えきれずにわたしの口から出た言葉は、自分自身も傷つけるものだった。
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