獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

後ろの座席はシートというかソファに近い。
折り畳みテーブルには食事が用意してある。
熱い紅茶を飲みながら、アエーシというパンにターメイヤというそら豆のコロッケや野菜入りのオムレツ、煮豆を挟んで食べた。
エジプト料理は結構豆づくし。
鷹臣君は片手で食べながら、メールを打っている。
多分仕事関係のメールだろう。
いつもなら「お行儀悪い」と注意するところだが、今日は仕方がない。
昨日は私が急にいなくなったから仕事出来なかったんだろうな。
発掘現場に着くと、もう健吾さん達がいて手に書類を持ちながら作業員に指示を出している。
鷹臣君と車を降り、ヘルメットを被ると、彼と一緒に洞穴の中に入った。
「鈴音、体調悪くなったら、すぐに言って。わかった？」
コクッと頷いて、鷹臣君の横で作業状況を見守る。