獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
鈴音と一緒に祭壇に向かうと、鈴音が巨像の奥にある箱を指差した。
「あそこになにかあるよ」
そこにあったのは、石棺。
それもただの石じゃない。
水晶だ。
ガラスのように透き通っていて、中には二十代くらいの長い黒髪の女の人が入っている。
「これが……セメフト女王?」
驚かずにはいられなかった。
ミイラに見えない。
女性が眠っているように見える。
「ねえ……生きてはいないよね?」
鈴音がブルブル震えながら俺の腕に抱きつく。
「……どうだろうね」
今にも起き上がりそうで、死んでいるときっぱり言い切れなかった。
こんな綺麗なミイラを見たのは初めてだ。
月の光ではっきりとその姿がわかる。
鼻筋が通っていてとても美人だ。
瞼にはうっすら化粧をしているし、爪はマニキュアを塗ったように赤くなっている。
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