獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「鈴音を抱きたくなって研究室に籠もるかもしれないから」
穏やかな顔でなにを言い出すんだ、この人は。
「鷹臣君……それ絶対に止めてよ」
青ざめる私を彼は実に楽しそうに眺めて言うのだ。
「冗談だよ」
……なんだ。冗談か。
鷹臣君が言うと本気か冗談なのかよくわからない。
香水店を出ると、初めて馬車に乗った。
ルクソールの街には結構馬車が多い。
悟に【カルトゥーシュのアクセサリー、鷹臣君が買ってくれたからね】とメールすれば、すぐに返事が来た。
【鷹臣さんに「ありがと」って伝えておいて。あと姉ちゃん、早く鷹臣さんと結婚しちゃえよ。俺早く、鷹臣さんを「義兄さん」って呼びたい】
私……悟に鷹臣君と付き合ってるなんて話してないのに……なんで?
首を捻る私に鷹臣君がクスッと笑った。
「どうしたの?そんなにスマホじっと見つめて」
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