恋愛の仕方おしえます。
部屋に入って早々に
頭を下げる桐山社長の姿…。
・・・嘘でしょ!?
あの"傲慢社長"がこんなに深く
人に頭を下げるなんて
私は今、幻覚でも見ているのだろうか…?
「失礼します。お久しぶりです、原田社長。」
「おぉ、待っていたよ桐山くん。それで、ロサンゼルスでの仕事は上手くいったのか?」
「ええ。お陰様で共同開発の話も着々と進んでいます。まだ準備段階ではありますがね。」
「すごいじゃないか!それが実現したら君の社は日本一のトップ企業になる。融資ならいつでもするから力が欲しい時にはいつでも言ってくれよ。」
「とても心強いです。ありがとうございます。
紹介が遅れましたが、この子が新しい秘書の藍川伊織です。」
社長からの突然の紹介に
私は背筋をピンと伸ばして言った。
「あ、藍川伊織です!ずっと広報部に所属していましたが、この度社長の秘書を兼任する事となりました。よ、よろしくお願い致しますっ!」
「あはは、この子が君の言ってた面白い子ね。
確かに今時見たことない程、真面目な印象だ。
いい子を秘書にしたね。」
「そう仰って頂けると思ってました。
今日は彼女が社長にお土産を持ってきました。
ロサンゼルスの有名なスイーツのようです。
彼女、社長の好きなほろ苦い味を事前にリサーチまでして選んだようで。ぜひご賞味ください。」
すごい…。
桐山社長の一言で原田社長が上機嫌になった。
新人秘書の私の事まで立ててくれて。
スマートに、だけど丁寧に
この場の空気を作ってる。
こんな短時間で、
この人が社長という地位まで
上り詰めた理由が、
分かってしまった気がする。
きっとこの人は、
人の心を掴むのが上手いんだ---。