満月は密やかに
「だからって…それはただ気持ちを押し付けてるだけじゃない。」
あいつは私を『モノ』としか見ていない
夜神…あんたもずっと私を『恋愛対象』としか見てなかった
そういう事なんでしょう?
誰も、私を一人の『人間』として見てくれないじゃない
私の存在を証明したくて、誰かに気付いてほしくて
殴っても、殴っても
喋らない『モノ』になるばかりで
私の名を呼んでくれないじゃない
「俺は、満月が今まで通り迷っているならずっと見守っていようと思ってたよ。けど…誰かの為に変わってく姿は見たくない。そんな感情が湧くくらいなら、俺もいっその事嫌われた方が好きに動ける。」
彼に火をつけてしまったのは、私が元凶なんだろう。
こうなってしまう未来が読めていたら、他にいくらでも手は打てた筈なんだ。
だけど、事が起きてしまったからにはもうどうする事も出来なくて…。
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