夢原夫婦のヒミツ
蘭は昔からこうと決めたら一歩も引かない性格だ。
「ものは試しでしょ? もしかしたらこれをきっかけに、大和さんの気持ちに火が点いちゃうかもしれないじゃない?」
なんて言ってひとりで勝手に盛り上がっている蘭には悪いけど、そんなうまくいくとは思えない。
やっぱりここは佐介の言う通り、勇気を出して自分の気持ちを素直に伝える以外、術はないのかも。
「とにかく今度の休みに、ふたりで出掛けること! わかった!?」
だけど蘭の迫力に負けて、私と佐介は「はい」と返事をした。すると満足した蘭は、「ちょっとトイレ借りるね」と言いながら、私にトイレの場所を聞き、リビングを出ていった。
ドアが閉まる音と同時に、私と佐介は自然とため息を漏らし、ふたりして苦笑い。
「本当に蘭には参るな」
「……うん」
珈琲を飲むものの、冷めていた。残りのタルトにフォークを伸ばしながら、ふとテーブルにある卓上カレンダーが目に入る。
「ものは試しでしょ? もしかしたらこれをきっかけに、大和さんの気持ちに火が点いちゃうかもしれないじゃない?」
なんて言ってひとりで勝手に盛り上がっている蘭には悪いけど、そんなうまくいくとは思えない。
やっぱりここは佐介の言う通り、勇気を出して自分の気持ちを素直に伝える以外、術はないのかも。
「とにかく今度の休みに、ふたりで出掛けること! わかった!?」
だけど蘭の迫力に負けて、私と佐介は「はい」と返事をした。すると満足した蘭は、「ちょっとトイレ借りるね」と言いながら、私にトイレの場所を聞き、リビングを出ていった。
ドアが閉まる音と同時に、私と佐介は自然とため息を漏らし、ふたりして苦笑い。
「本当に蘭には参るな」
「……うん」
珈琲を飲むものの、冷めていた。残りのタルトにフォークを伸ばしながら、ふとテーブルにある卓上カレンダーが目に入る。