夢原夫婦のヒミツ
大和さんのこと大好きだし、夫婦らしいことをしたいと思うけど、心の準備がまだできていないよ。

グッと両手で彼の胸元を押すと、大和さんは正気に戻ったのか少しして大きく息を吐いた。

「止めてくれて助かった。……悪い、暴走した」

そう言うと大和さんは私の上から退き、起き上がらせてくれた。

そして外されたボタンをしめていく。

「いきなりすぎたよな。……本当にごめん」

すっかりいつもの大和さんに戻り、優しく私の頭を撫でてくれた。

「ちがっ……! 謝るのは私の方です。私だって大和さんとしたいです!! だけどその、するということがどういうことなのか、しっかり覚悟を持てていなかったというか……」

しどろもどろになりながらも、必死に言葉を並べていく。

決してしたくないわけじゃない。ただ、準備が完ぺきではなかったんです。

それと心構えというものができていなかった。
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