夢原夫婦のヒミツ
情けなくなり泣きたくなる。すると大和さんはクスクスと笑いながら、私の身体を包み込んだ。

「いいよ、焦らなくて。……これからふたりで過ごす時間はたくさんあるんだ。ゆっくりいこう」

「大和さん……」

私の背中や髪を撫でる手が優しくて泣いてしまった。

これからふたりで過ごす時間はたくさんある。だけど早く本当の意味で大和さんと結ばれたい。

彼のぬくもりを感じながらそんなことを考えていると、頭上から声が降ってきた。

「あ、でも寝室は今夜から一緒にしよう」

「えっ?」

顔だけ上げると触れるだけのキスが落とされた。

「少しずつ俺に触れられることに慣れていってほしいから」

「……っ」

そうだ、彼と本当の意味で結ばれるということは、私のすべてを曝け出すというわけで……。

え、どうしよう。想像しただけで恥ずかしくて死ねるんですけど。

ずっと妄想していたことが実際に現実になると、人間はこうしてかなりテンパるようです。
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