夢原夫婦のヒミツ
部屋に上がりリビングへ向かうと、ちょうど洗濯物を畳んでくれていたところだった。

「すみません、洗濯物」

「いいって。蘭ちゃんと楽しい時間を過ごせた?」

手伝おうとする私を制止すると、彼は残りの洗濯物を畳んでいく。

「はい、おかげさまで。あ、大和さん夕食大丈夫でしたか?」

突然誘われたから、なにも用意していけなかった。

いいと言われたけど、やっぱり申し訳なくて私も一緒に洗濯物を畳んでいく。

「うん、冷凍庫に愛実が作り置きしてくれているおかずがあったから、それを食べたよ。それより洗濯物は俺がやっておくから、早くお風呂に入っておいで。明日も仕事だろ?」

「でも……」

いいのかな? だって大和さんも明日は仕事なのに。

立ち上がれずにいると、彼は「いいから入っておいで」と私の背中を優しく押した。

大和さんのこういう優しいところ、本当に好き。

「すみません、じゃあ入ってきちゃいますね」

「あぁ、ゆっくり浸かってくるといい」
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