夢原夫婦のヒミツ
まさか自分がそんなことを望む日が来るとは、夢にも思わなかった。

なんか……なんか恥ずかしい!!

大和さんの胸元に顔を埋めて、足をバタバタさせてしまう。

「んっ……」

やばい、起こしちゃった?

顔を上げて見ると、大和さんは眉間に皺を寄せている。

「……だめだ、もっとしっかりかまえて」

「え、大和さん?」

突然意味不明なことを言ったかと思えば、また規則正しい寝息が聞こえてきた。

これはもしや寝言? しかも絶対仕事のことだよね? 夢の中でも仕事をしているのかな。

それが実に大和さんらしくて、頬が緩む。

もう一度顔を上げて、彼の可愛い寝顔を見る。

こうして一緒にいる時間を重ねていくと、もっと蕩けるようなキスをして欲しいと思ったように、もっと触れてほしいと願うようになるのかな。

でもそんな日がくるのは、そう遠くない気がする。

大和さんのぬくもりを感じながら、この日も幸せな気持ちで眠りに就いた。
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