夢原夫婦のヒミツ
蘭の答えが出たら、きっと報告をしてくれると思ってはいるけど……。

三人で会うのは久しぶり。まだ蘭は告白の返事をしていないのかな? それなのに佐介と会ってお互い気まずくないのかな?

今になって心配になり、テーブルを拭く蘭を見つめてしまう。

すると蘭の腕につけられているブレスレットに目がいった。

あれ……? 蘭がつけているブレスレットってたしか、佐介がプレゼントしたものじゃない?

ん? それを蘭がつけているってことは、もしかして……。

期待に胸が膨らんだ時、インターホンが鳴った。

「あ、佐介でしょ? 私が出るよ」

「う、うんお願い」

笑顔で言うと、蘭は足取り軽やかにリビングから出ていく。

おかしいな、蘭ってば佐介に告白をされてどうしようってテンパっていたよね? それなのにあの笑顔はなに?

気になって廊下へと続くドアをそっと開けて玄関の方を盗み見る。

するとそこには玄関先で立ち止まり、笑顔でお互いを見つめ合うふたりの姿があった。
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