夢原夫婦のヒミツ
「ありがとう、佐介。買い物大変だったでしょ?」

「いや、大丈夫だよ」

普通の会話をしているだけなのに、ふたりの雰囲気はどことなく甘くて目を丸くさせてしまう。

「半分持つよ」

「いいよ、重いから」

「えー、これくらい平気だって」

「いいから。俺が蘭には持たせたくないの」

ドアを閉めたくなるような甘いやり取りに、確信へと変わっていく。

これはきっと、ふたりはうまくいったと思ってもいいんだよね?

ジッとドアから眺めていると、私に気づいたふたりはびっくりして立ち止まった。

「ちょっと愛実! やめてよ、心臓止まるかと思ったじゃない」

「声をかけてくれよ」

口々に文句を言われるも、私は気になって仕方なくてふたりに詰め寄った。

「ねぇ、まさかふたりって……」

そこまで言うと、私が言いたいことがわかったのか、蘭と佐介は顔を見合わせた後、頬を赤く染めた。

そして揃って笑顔で私を見る。

「えへへ、実はそうなの」

「今日、ふたりでちゃんと愛実に報告をしようと思っていたんだ」

やっぱり……!
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