夢原夫婦のヒミツ
私としては大好きなふたりが付き合ってくれたら嬉しく思う。だけど、佐介も蘭もそれぞれ気持ちがあって、どんなに私が願ってもお互い好きにならなければ意味がない。

私が佐介に対して幼なじみ以上の感情を抱いていないように、蘭も佐介は恋愛対象にはならないのかもしれない。

私も結局佐介同様、三人の心地よい幼なじみの関係を壊したくなくて、ただ見守ることしかできずにいた。

それぞれ食べたいものとドリンクバーを注文して、飲み物を取りに行き久しぶりに会うふたりと会話に花を咲かせた。

「私と佐介はちょくちょく会っているけど、こうやって三人で会うのは、三ヵ月ぶりだよね?」

何気なしに言った蘭の話に目を剥く。

ん? なに? 私がいないところで佐介とはちょくちょく会っているって?

すぐに佐介を見ると、照れ臭そうに視線を逸らした。

なるほど、私が知らなかっただけで佐介は佐介なりに頑張っていたわけだ。

それに私は大和さんと結婚したばかりだし、色々と気遣ってくれていたんだろうな。
< 22 / 244 >

この作品をシェア

pagetop