夢原夫婦のヒミツ
「どう? 愛実。ずっと片想いしていた大和さんとの新婚生活は」
ニヤニヤしながら聞いてきた蘭に、私はたまらず不満を漏らした。
「そりゃ幸せだけど……」
周囲に聞こえないよう、声を潜めて吐露した。
「大和さんが夫婦らしいことを、なにもしてくれなくて」
私の話を聞き、ふたりは目をパチクリさせた。
「夫婦らしいことって……例えば?」
「例えばって……そ、それはもちろん夫婦らしいことよ! その、普通の恋人がするようなスキンシップとか……」
口籠りながらも伝えると、ふたりは顔を見合わせた後、信じられないと言いたそうに私を見た。
「え、でも愛実たちってもう結婚して三ヵ月経つよな?」
「……うん」
頷くと、佐介は私以上に小声で尋ねてきた。
「つまり愛実はまだ大和さんと、その……していないってことか?」
言葉を濁しながら主語を抜かして質問されたものの、私はすぐに佐介がなにを聞いてきたのか理解して、何度も首を縦に振った。
ニヤニヤしながら聞いてきた蘭に、私はたまらず不満を漏らした。
「そりゃ幸せだけど……」
周囲に聞こえないよう、声を潜めて吐露した。
「大和さんが夫婦らしいことを、なにもしてくれなくて」
私の話を聞き、ふたりは目をパチクリさせた。
「夫婦らしいことって……例えば?」
「例えばって……そ、それはもちろん夫婦らしいことよ! その、普通の恋人がするようなスキンシップとか……」
口籠りながらも伝えると、ふたりは顔を見合わせた後、信じられないと言いたそうに私を見た。
「え、でも愛実たちってもう結婚して三ヵ月経つよな?」
「……うん」
頷くと、佐介は私以上に小声で尋ねてきた。
「つまり愛実はまだ大和さんと、その……していないってことか?」
言葉を濁しながら主語を抜かして質問されたものの、私はすぐに佐介がなにを聞いてきたのか理解して、何度も首を縦に振った。