夢原夫婦のヒミツ
大丈夫だよねと言い聞かせても、最悪な状況ばかりを考えてしまう。

「愛実、今夜泊まろうか?」

「そうだな、蘭。泊まったらどうだ?」

心配するふたりに首を横に振った。

「大丈夫、蘭も明日は仕事でしょ? 佐介と一緒に帰って」

まだはっきりとした状況はわからないんだもの。

「でも……」

引き下がらない蘭に笑顔で伝えた。

「本当に私なら大丈夫だから。……蘭も佐介もありがとう」

そう言うとふたりは渋々納得してくれて、二十二時過ぎに帰っていった。

「なにかあったら、連絡して」と言い残して。

せっかくの蘭の誕生日だったのに、申し訳ないことをしちゃった。

誰もいなくなった家の中はシンと静まり返っている。

使った食器の片づけをしながらテレビは点けっぱなし。やはりSNSの情報がテレビでも流れていた。

水道を止めて手を拭き、ソファに座ってスマホを見る。

既読が付かない私の送ったメッセージ文。……もう少ししたら、既読が付くよね。
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