夢原夫婦のヒミツ
だけど私が言った言葉の意味を理解したのか、ほんのりと頬を赤く染めた。

「えっと……いってきます!」

自分で言っておきながら恥ずかしくなり、私は逃げるように浴室に向かった。
ばたんとドアを閉めてそのまま寄りかかる。

「い、言ってしまった……!」

身体の力が抜けてズルズルと座り込んでしまう。

でもやっぱり初めては綺麗な状態で挑みたいし! それに今夜、大和さんに触れてほしいから。

これからすることを想像すると、恥ずかしくて足をバタバタさせてしまう。

でも以前ほど恥ずかしくはない。それ以上に彼に触れてほしい気持ちの方が強いから。

お風呂に入り、念入りに身体を洗っていく。そしてお風呂から上がり、髪を乾かして浴室を出ると、急激に緊張してきた。

リビングへ向かうと、大和さんはテレビを見ていた。

ドキドキしながらそっと彼の隣に腰掛けると、大和さんはテレビを消して私を見る。
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