夢原夫婦のヒミツ
今日はお父さんたちのお葬式の手配などで、来られないと聞いている。
おばあちゃんが帰った後からずっと、眠れずにいた。
土砂崩れに巻き込まれて、家は全壊。それに私だけ生き残っちゃった。……それなのにまだ他人事のような気がして泣けずにいる。
だって信じられる? お父さんたちにもう会えないなんて。みんなでご飯を食べて、次の日も早いからっていつものように「おやすみ」って言って、寝床に向かっていった姿が最後だったなんて思いたくない。
今はまだ夢の中の世界なのかもしれない。あと少ししたら私は起こしにきたお母さんの声で目が覚めて、居間に行くと一仕事終えたお父さんやおじいちゃん、おばあちゃんがいるの。
「なんだ、愛実。また寝坊か?」ってみんなに笑われて、私は急いで朝ご飯を食べて……。
うん、きっとそう。またあの日常に戻れるはず。今は夢の世界なんだよ。
だったらいい加減、目覚めさせて。こんなに辛くて悲しい夢なんてもう一秒たりとも見たくない。
布団を頭まで被り、瞼をギュッと閉じる。
だけどいくらたっても、辛い夢が冷めることはなかった。
おばあちゃんが帰った後からずっと、眠れずにいた。
土砂崩れに巻き込まれて、家は全壊。それに私だけ生き残っちゃった。……それなのにまだ他人事のような気がして泣けずにいる。
だって信じられる? お父さんたちにもう会えないなんて。みんなでご飯を食べて、次の日も早いからっていつものように「おやすみ」って言って、寝床に向かっていった姿が最後だったなんて思いたくない。
今はまだ夢の中の世界なのかもしれない。あと少ししたら私は起こしにきたお母さんの声で目が覚めて、居間に行くと一仕事終えたお父さんやおじいちゃん、おばあちゃんがいるの。
「なんだ、愛実。また寝坊か?」ってみんなに笑われて、私は急いで朝ご飯を食べて……。
うん、きっとそう。またあの日常に戻れるはず。今は夢の世界なんだよ。
だったらいい加減、目覚めさせて。こんなに辛くて悲しい夢なんてもう一秒たりとも見たくない。
布団を頭まで被り、瞼をギュッと閉じる。
だけどいくらたっても、辛い夢が冷めることはなかった。