夢原夫婦のヒミツ
【お身体は大丈夫でしょうか? 突然の手紙に驚かれたと思います。すみません。ですが、どうしてもあなたにお伝えしたいことがあり、筆を取らせていただきました】

ドキドキしながら文字を追っていく。

そこにはお父さんたちを助けられなかったことへの、謝罪の言葉が綴られていた。

【あなたのご家族を、救うことができず申し訳ありませんでした】

「そんなっ……! そんなことない」

きっと私を救ってくれたように、お父さんたちのことも必死に捜索してくれたんだよね?
だったら謝ることなんてないのに。

また泣きそうになり、必死に涙を堪えながら続きを読む。

【実は私自身もあなたと同じ年頃、自然災害を突然亡くしました。……あまりに突然のことで、現実を受け入れることができず、苦しい毎日を送っていたました】

同じなんだ、この人も。私と同じ、自然災害で両親を亡くしていたなんて。

< 45 / 244 >

この作品をシェア

pagetop