夢原夫婦のヒミツ
【ですが、幸いなことに大切な友人や親族に寄り添ってもらい、こうして今は私を助けてくれた自衛隊員のようになりたく、同じ道へ進み頑張って生きております。……だからどうかあなたも、身近にいる大切な人たちと共に、幸せな未来を精いっぱい強く生きてください】

すべて読み終えると、こらえきれず涙が溢れ出す。

私もこの人のように、強く生きることができるのかな。お父さんたちがいない未来を、幸せに生きることなんてできるのだろうか。

涙を拭い、もう一度もらった手紙を読み返す。

身近にいる大切な人たちは、私にもいる。駆けつけてきてくれたおばあちゃん、蘭や佐介。それに学校のみんな。いるじゃない、たくさんの大切な人が。

「私もこの人のように、誰かの役に立つような仕事をして、強く生きることができるかな」

ううん、そうなれるよう生きていかないとだよね。
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