夢原夫婦のヒミツ
顔も名前も知らない誰かの手紙が、私に生きる勇気を与えてくれた。
それが、私と大和さんの最初の出会いだったんだ。
* * *
「大和さんって、本当にデキた人だよね。愛実のことを思って夜遅くに病院まで手紙を届けにきてくれたんでしょ?」
「……うん」
あとから聞いた話だと、私が入院中もまだ捜索中で、彼は捜索を終えて就寝時間になってから、手紙を書いて届けてくれたらしい。
昔を思い出していると、蘭は呆れた顔で言う。
「そこからの愛実、すごかったよね。佐介も当時の積極的すぎる愛実の言動には、びっくりしたんじゃないの?」
「まぁ……な」
言葉を濁す佐介に、私も苦笑い。
十八年間生きていて、一度も恋をしたことがなかった。
そんな私が初めて好きになった人は大和さんなわけで。当時は必死だったんだけど今思い返すと、うん……目の前に穴があったら入りたいくらい恥ずかしい。
彼から送られた一通の手紙。それが私と大和さんの出会いで、はじまりだったんだ。
それが、私と大和さんの最初の出会いだったんだ。
* * *
「大和さんって、本当にデキた人だよね。愛実のことを思って夜遅くに病院まで手紙を届けにきてくれたんでしょ?」
「……うん」
あとから聞いた話だと、私が入院中もまだ捜索中で、彼は捜索を終えて就寝時間になってから、手紙を書いて届けてくれたらしい。
昔を思い出していると、蘭は呆れた顔で言う。
「そこからの愛実、すごかったよね。佐介も当時の積極的すぎる愛実の言動には、びっくりしたんじゃないの?」
「まぁ……な」
言葉を濁す佐介に、私も苦笑い。
十八年間生きていて、一度も恋をしたことがなかった。
そんな私が初めて好きになった人は大和さんなわけで。当時は必死だったんだけど今思い返すと、うん……目の前に穴があったら入りたいくらい恥ずかしい。
彼から送られた一通の手紙。それが私と大和さんの出会いで、はじまりだったんだ。