夢原夫婦のヒミツ
いつもはさり気なく佐介の気持ちが蘭に届くよう、手助けをするところだけど、今日ばかりはそうはいかない。
自分のことでいっぱいいっぱいだから。
大和さんと知り合って数ヵ月。彼は私の命の恩人で、なんでも話せる人で……。恋をしているという自覚はなかった。
だけどふたりの言うように私、気づいたらいつも大和さんのことを考えちゃっている。
この気持ちってもしかして、恋なのかな……?
いやいや、そんなまさか! だって私は大和さんの声も顔も知らないんだよ? それなのに好き、だなんて――。
だけどこの日を境に、私は大和さんのことを意識するようになっていった。
おかげで二週間経った今も、手紙の返事を出せないまま。
「だめだ、なにを書いたらいいのかわからない」
夏休みも残り三日。この日の夜も、勉強の合間に便箋を取り出したものの、なにも書けなくなる。
今までは書きたいことがたくさんあって、ポストに投函した後も、あれを書けばよかったって後悔するくらいだったのに。
ペンを机の上に置き、引き出しの中に大切にしまってある、大和さんから届いた手紙を眺めた。
自分のことでいっぱいいっぱいだから。
大和さんと知り合って数ヵ月。彼は私の命の恩人で、なんでも話せる人で……。恋をしているという自覚はなかった。
だけどふたりの言うように私、気づいたらいつも大和さんのことを考えちゃっている。
この気持ちってもしかして、恋なのかな……?
いやいや、そんなまさか! だって私は大和さんの声も顔も知らないんだよ? それなのに好き、だなんて――。
だけどこの日を境に、私は大和さんのことを意識するようになっていった。
おかげで二週間経った今も、手紙の返事を出せないまま。
「だめだ、なにを書いたらいいのかわからない」
夏休みも残り三日。この日の夜も、勉強の合間に便箋を取り出したものの、なにも書けなくなる。
今までは書きたいことがたくさんあって、ポストに投函した後も、あれを書けばよかったって後悔するくらいだったのに。
ペンを机の上に置き、引き出しの中に大切にしまってある、大和さんから届いた手紙を眺めた。