夢原夫婦のヒミツ
もっと大和さんのことを知りたくて、声が聞いてみたくなった。

でもいきなり電話で話すなんて、私にはハードルが高すぎる! でも声は聴きたい。

その思いでお願いしちゃったけど……やっぱり迷惑だったかな。あんなこと、書かなければよかったかも。

モヤモヤして勉強に身が入らず、机に突っ伏す。

そういえばこの話を蘭と佐介にしたら、びっくりしていたよね。「愛実が大胆な子に変身した」なんて言われちゃったし。

その時のふたりの顔を思い出すと、笑えてしまう。

でも自分でも驚いている。大和さんを好きになってから、私は変わったと思うから。もちろん良い意味でだ。

今までの私だったら、きっとこんな大胆な行動に出ないはず。

「……勉強しよう」

大和さんのことばかり考えていて、合格しなかったなんて嫌だし。

体勢を戻して再び参考書に目を通した時、スマホが鳴った。

「……っ!」

静かな部屋に突如鳴り響いた音に、身体は大きく反応してしまう。
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